中堅商社マンの海外出張報告(へなちょこ編)

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zoom RSS メキシコ出張報告1

<<   作成日時 : 2005/02/24 23:06   >>

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これも俺の話。
俺がアメリカに駐在で5年住んでいたときの話だ。
ロスでは日本人が黒人や白人にオカマを掘られたという関連の噂が多く、まことしやかな噂が流布されていた。
これは俺の聞いた噂話。だから信憑性は不明だ。
あるとき、ダウンタウン近辺で飲酒運転で捕まった日本人が、1晩留置場に泊まらされた。
ロスでは飲酒運転で捕まると、有無を言わせずにオレンジの囚人服を着させられて留置場に1晩泊まらされる。
これは本当の話で、アルコール分が抜けるまで監禁される。
捕まる場所が高級住宅地や治安が良い場所であれば個室だが、ダウンタウンなどの治安が悪く、納税額の少ない地域では雑居房になる。
その日本人は運悪くダウンタウンで飲酒で捕まり、その雑居房で1泊させられたそうだ。
こういった雑居房は黒人やジャンキーが多く、状況的に非常に危険度が高い。
念のため言うが、黒人一般が悪いということではない。
こういった治安の悪い留置場にいるのは質の黒人が多く、かつ乱暴かつであるという不文律を言っているだけだ。
さて、その雑居房に入れられた日本人は、同房の黒人犯罪者数人に羽交い絞めにされ、交互に一晩中オカマを掘られ、翌朝開放された時は狂人になっていた。
そして狂ったまま日本に送り返された。
そういう噂が当時まことしやかに流布されていた。
だから、飲酒運転には気をつけろということか。。。。。
それで、俺はもしものときの為に防御策を考えねばならないと思った。
中堅商社マンには接待はつきものだ。
ロスでは酒を飲んだら飲酒運転以外に帰る方法がない。
車を置いてタクシーで帰ったりしたら、置いた車を盗難されるお国柄だ。
だから飲酒運転になる。捕まって、拘留される可能性は高い。
俺の考えた防御策は簡単だった。中堅商社マンは短絡的だ。俺だけかもしれないが。
防御策は、「オカマを掘られる前に、うんこをする」だ。
直前にうんこすれば、いくらそういう輩でもさすがに犯せないだろうと考えたからだ。
自慢じゃないが、俺は便通が非常に良い。
1日3回くらいでもうんこが出る。
飲酒すればなおさらだ。
駐在期間中は、そういう防御策で対応することにした。
これを英語ではセルフディフェンスという。うんこしてディフェンスだ。

さて、ここからは俺の話だ。
俺はロスに駐在していたのに、毎月メキシコに行っていた。
レオンという街に毎月行っていた。
95−96年ごろだ。
レオンはメキシコといっても、アメリカ国境近辺や観光地ではなく、メキシコ・メキシコしたメキシコだ。
もう、ほんとーに、メキシコだ。
だからほとんど英語は通じない。
食べ物もステーキかスパゲッティー以外、日本人の俺には食べられないようなものばかりだ。
ちなみにタコ(タコスのこと)はアメリカで食ったほうがうまい。
これは鉄則だ。
本場メキシコのタコスはパサパサしていて豆くさい。
レオンでナンバー1のタコ屋よりも、タコベルの方が全然うまい。
だから毎回1−2週間くらいの滞在中の食事のほとんどはステーキ・スパゲッティー・サンドウィッチの繰り返しだ。
飲み物はビールかコーラかミネラルウォーターのみ。
なぜなら他の水分だと、当たって強力なゲリを引き起こす。
ちなみに俺はマクドの氷入りコーラで当たった。
1週間ジェット噴射が止まらなかった。
空を飛べるのではないかと思えるほどのジェット噴射だ。
最後は噴射力で5cmほど便座から浮くことができた。これはウソだ。
あまりにひどくて、肛門が腫上がり、排便の度に激痛に悩まされた。

それほど食事には不便を感じる場所だった。
そこに毎回1−2週間居て、靴工場で靴の製造購買業務をしていた。
日本とアメリカに輸出するためだ。
そう、レオンは靴の生産で有名な街だった。

そのころは、日本ではアムロナミエ全盛期で、厚底のブーツやサンダルがトレンドだった。
靴底が10cm以上ある、あの厚底ブーツだ。
だから、俺はメキシコでそういった日本のガングロネエチャン達が履く為の靴を苦労して造らせて、日本に輸出していた。
商売の必要上日本のファッション雑誌を見るたびに、やってられねーなと何度か呪詛した。
メキシコの靴工場で働く工員のおばさん達は、「こんな靴履く人間がいるのか?」と何度も俺に質問した?
履き心地を確認するためのサンプルチェックで、工員のオバちゃんに履かせたが、「歩けない、靴が重い」と笑われた。
当たり前の反応だ。
いちいち答えるのがめんどくさいので、工場の人間には「シークレットブーツだ」と説明した。
多分日本人は皆、背が低いと誤解したが、レオンあたりで日本人の誤解をしても大したことないので、そのままにしておいた。
近くても無理なので、こんな遠い国での相互理解は不可能に近い、だからほっといた。

俺のその仕事にはサンプリングの仕事もあり、シーズン毎に日本での展示会用に数十種類のサンプルを生産していた。
全部厚底だ。
普通は航空便でそういったサンプルを日本に送る。
ただし、サンプル生産が遅延し展示会に間に合わなくなると、メキシコからハンドキャリーをする必要に迫られる。
ハンドキャリーとは自分が飛行機に乗って荷物を運ぶことだ。
緊急ハンドキャリーはどの国からでも、日本人が一番早くて制限がない。
VISA免除の国が多いからだ。
また入国もスムースだからだ。
これは日本のODAとジャパンマネーのお陰だ。こういったことは日本もすごいと思う。

ある時、サンプル生産が遅延して、レオンからハンドキャリーする必要に迫られた。
70足くらいのサンプルだ。ちなみに全部片足だ。
サンプルなので、両足は必要ない。
それでも厚底の靴のサンプルなので、メチャクチャ重い。
1箱50kg以上あるカートンをダラス−ロス経由で5箱をたったひとりで日本まで運ばなくてはならなくなった。
あまりの重さに、ガングロネエチャン達を呪った。
全員グーで殴りたい心境だ。
レオンの飛行場でエクセス料金をしこたま払って、ダラス行きの飛行機に乗った。
アメリカンだった。
俺はダラスの空港で荷物を検査されるのを見越して、カートンを開けられた場合にその場で封ができるように、あらかじめ工場でガムテープを借りておいた。
メキシコのガムテープは、日本のガムテープと違い、変な臭いがしてくさい。
それを手持ち鞄に入れておいた。
さて、飛行機は何事も無くダラスに着いた。
それから例の厚底靴の通関だ。
どうせ税金は払わなくてはならないと思い、課税のラインに並ぼうと重いカートンをしこたまキャリアーに乗せて運んでいると。。。。。
変な犬が近づいてきた。
シェパードとかじゃなくて、漫画の犬を実写にしたような変な犬だ。
俺は最初、誰かの犬がケージから逃げたのかと思った。
その犬が俺の手持ち鞄に近づいて、何かくんくん嗅いでいる。
「なんだ、この犬」と思って追いやろうとした瞬間、税関職員が飛んできた。
なんか英語で警告している。
よくよく聞いてみると、「鞄を開けろ」「なんか法律違反品を持ってないか」といっている。
そこで、やっとその犬が麻薬犬なことに気がついて動転した。
そうなると中堅商社マンでも頭が高速に回転する。
「なんでだ?麻薬犬が反応した?俺って麻薬やったことあったか?ないぞ。」
「メキシコの靴工場の誰かが俺の鞄に麻薬を忍ばせたか?」などなどだ。
はたと気がついた。そこで拒否すればもっと大変なことになるのがアメリカだ。
俺は首をかしげながら、すぐさま鞄を開いた。犬の前で、だ。
それまでもその犬は全く吠えない。テレビとは違うものだ。
犬は俺の鞄に顔を入れて、その中のガムテープのにおいを嗅いでいる。
「なんでだ?」と俺は思った。ガムテープが麻薬なのか、メキシコでは?と思った。
そんな麻薬じゃ、口に巻いたとき窒息するんじゃないかと思った。
そのテープに関する説明を税関職員に詳しくした。サンプルが開けられたとき用のテープだと。
そのテープの件は理解してもらえたが、見るからの異常な量のカートンを運んでいる俺と荷物を見て、さらに怪しいと思ったであろうその職員は、「このサル、運び屋か?」といった目で俺と荷物をジロジロ見る。
確かに運び屋だが、麻薬じゃなくて厚底ブーツの運び屋だ。
いかにも中堅商社マンらしい仕事だ。
そして、その厚底ブーツごと、別室に連行された。

別室に連行される際には、持参したサンプルのカートンはすべて係員に持っていかれた。
内容物検査をするということだ。
俺一人だけ、係員に別室に誘導された。
その別室は税関監査ラインの外側にあった。
一部屋6畳ほどのの広さで、数房の部屋に区切られている。
壁は白壁で、壁にはめ込み式のステンレス製のベンチが備えられている。
そして、対面の壁には鉄製のバーが縦にくくりつけられている。
独居房みたいな部屋だ。
緊張しながらその部屋に入った俺に、係員は中で待てと言って去った。
荷物検査の間だけ、ここに居させるのかと思った俺は、少し落ち着いた。
落ち着くと、なんか隣で泣き声がする。
両隣でおばちゃんの絶叫みたいな鳴き声が聞こえてくる。
最初、拷問でもしているのかと疑った。ここは人種差別用拷問部屋かと。
なんせ、ダラスは南部だ。そういう土地柄だ。
耳を澄ませて内容を聞いてみると、スペイン語で許してだの、私はやってないだの、と叫んでいる。泣きながらだ。それもおばちゃんがだ。
たぶん麻薬か、違反品が見つかったんだと思った。
馬鹿だな、と。
そして我に返った。
俺もそういう風に疑われているんだ、と。
そんな異常な状況の中で5分ほど待つと、入り口のドア付近に人影がした。
そして、2mくらいあるメチャクチャなデブの白人の警官が、のっそり、そして2人も入って来た。
両方ともめちゃくちゃいい体格だ。銃も下げている。横幅は俺の2倍ぐらいある。
すり抜けて外に逃げられないように、2人で出口を塞いだ形に立っている。
6畳くらいの部屋なのに、その2人が入ると、はっきり言って、めちゃくちゃせまい。
その白人の警官2名が、薄笑いを浮かべながら俺に迫ってくる。
捕まえて嬲ってやろうかといった感じだ。
状況的には、めちゃくちゃ怖い。
そして俺は思い出した、ロスの留置場でのオカマ掘りの話を。
ぞっとした。
オカマ掘られるのも嫌なのに(ちなみに俺は掘られたことは今迄一度もない)、こんなデブ2人に押さえ込まれて犯されたら、とんでもない。
さらに、俺は痔だ。中堅商社マン特有の痔病だ。
それがこんな奴らにオカマ掘られたら、痛くてほんとにオカマ歩きになりそうだ。
俺はその状況で先ず思った。
ドアを閉められたら最後だと。
次に思った。
例の防御策を出すしかないと。
目はドアの開閉に、意識は便意に集中した。
そして後悔した、飛行機の中で、それも空中で、うんこをしたことを。
まったく便意が無かった。
朝早い便に乗って、トイレに行く暇も、また荷物から離れるわけにも行かず、やっとうんこができたのは空中だったことを後悔した。

そういう心配をしている俺をよそに、その2人の警官は英語で話しかけてきた。
ドアが閉められそうもない様子に安堵した俺は、もう一度聞き返した。
すると、「バイオレンスか?」と聞いている。
俺は誤訳した。「お前暴れるつもりか?」と。
本当の意味は、もし法律違しているなら先に言ったほうが有利だぞ、ということだ。
誤訳した俺は言った。「ノー。ノーバイオレンスだ。(暴れるつもりなんかあるわけないやんけ)」だ。
警官は言った。「OK、それならチェックする。」と。
誤訳したままの俺は言った。「暴れるのをチェックするって何だ?どうするつもりだ。」
そして警官は思いっきり南部なまりで俺の背中を壁に向かって押してながら、何か言っている。
後ろを向かされると肛門が危険だ。
とっさの防御の為に、俺は向き直って言った。「なんですか? サー?」
その警官。「お前は映画を見たことがあるか?日本人!」
不審な俺。「そりゃ、映画くらい見るわいや!」。
そして、その警官。「じゃー、その通りにしろ!」
俺は気がついた。そして壁を見ると俺の目の高さに手形で汚れた痕があった。
気がついた俺は、壁に両手を着いた。
「そうだ、そうすりゃいいんだ。映画の通りだぞ。」と言いながら、俺の脚を順番に蹴って開かせた。
俺の目線の横にはステンレス製のバーが縦に埋め込まれている。
気がついた。
これは壁に手を着いた俺に手錠をかけて繋げて暴れないようにするためのバーだと。
俺は観念した。ドアが閉まったら終わりだと。肛門が口より大きくなる日がついに来た、と。
そして2人の警官は俺の体を触り始めた。
更に、ぞっとする。鳥肌が全身を走る。
だが、そこでなんか変なことに俺は気付いた。
手のひらで体をバンバンたたいている。
上から下に叩いている。
空港のセキュリティチェックと同じだ。
ここで、あほな中堅商社マンの俺でも、やっと気がついた。
この2人は麻薬所持の検査をしているのだと。

落ち着いた俺に、やっと会話の内容が理解出来始めた。
「お前はドラッグやヘロインを隠してないか?」とか「何の仕事をしている?」とかだ。
気が抜けた。緊張して全く損した。
状況が理解できた俺には、開き直る余裕ができた。
こいつらオカマ目的じゃないなと分かった俺は強気になった。
壁に手を着いたまま振り向くと、ドアは開いたままだ。
密室にしたら、警官自体が疑われることに気がついた。
そして俺は言った。
「持ってない。そんなことするわけが無い。なんならズボン(ちなみに英語ではパンツという。日本語のパンツのことではない。)脱ぐか?調べてもいいぞ。アンダーウェア(ちなみにこれが英語でパンツのことだ)の中まで。」と言って、ズボンのベルトに片手をかけて外しかかった。
1人の警官が急に俺の手首を摑んで言った。
「そこまでしなくていい。脱いだらそれこそバイオレンスだ。」と。
その後靴底の裏まで調べられて何も出なかった俺は、30分後くらいで解放された。
白人と一戦した気分だった。脱力した。

ちなみに、西洋人のことを外人という日本人がいるが、俺は白人と呼ぶ。
なぜらな黒人も白人も中国人も、みな日本人には外人だからだ。
白人を外人と呼ぶなら、黒人も中国人もインド人も外人だ。
それなのに日本人は白人だけ外人と呼ぶ。
これはめちゃくちゃ変だ。
だから俺は西洋人は白人という。黒人は黒人と呼ぶからだ。
外人と呼ぶときは、全人種をひっくるめた概念で、日本人以外の場合をそう呼ぶ。
黒人を黒人と呼ぶなら、そうすべきだ。
これは俺の勝手な意見だ。
日本人は自分が外国にいるのに、白人に会って、それを指して外人と呼ぶ。
聞いてて変だ。めちゃくちゃ変だ。
外国にいるのなら、日本人のお前が外人だ。
それを聞く度に思う、お前はこの国の人間か?と。
でもその国の人間なら、白人さして(白人が居住する国だとして)、外人って呼べるか?と。
ちなみに、以前中国に居た時に、ある日本人が中国人に対して、ある白人の話題を出してこういったのを見たことがある。
「あの外人がね。・・・・・」
そして中国人にこう切り替えされた。
「あんたも外人ですよ。」と。。。。。。。

すべての検査が済んで、虚脱状態の俺は持参したサンプルを取りに行った。
税関の検査ラインまでだ。
ケツが無事だったことに感謝して、荷物を取りに行くと、カートンボックスはすべて開封された状態になっていた。
そして、覗き込んでがっくりした。
のこぎりで、厚底ブーツのサンプルのほとんどのヒールが切断されていた。
俺は思った。
そりゃ、こんな靴運んでりゃ、ここになんか隠してると思うわな。変な靴だし、と。
そしてロス経由でそのサンプルを運んで、俺は成田でぎっくり腰になった。
ガン黒ネエチャンに靴墨塗りたくってやりたいと思っていたら、自分ですでにやっていた。
雑誌でそう報道していた。
中堅商社マンはまたしても完敗した。

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